シンポジウム等の記録

国際シンポジウム
地域史の可能性を求めて―バルカンと東アジアの歴史教科書から

日時:2005.11.12
会場:東京大学駒場キャンパス 18号館ホール
主催:東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻
主催:「バルカン諸国歴史教科書の比較研究」プロジェクト
主催:ドイツ・ヨーロッパ研究センター
後援:国際交流基金

  • 開会挨拶

    大貫隆(地域文化研究専攻長)

    趣旨説明

    柴宜弘(地域文化研究専攻)

    閉会挨拶

    木畑洋一(東京大学大学院総合文化研究科長・ドイツ・ヨーロッパ研究センター長)

    総合司会

    長島大輔(地域文化研究専攻博士課程)

  • 第1セッション:

    教科書の中の地域史―アルバニアの事例

    Valentina Duka(ティラナ大学)

    ボスニア・ヘルツェゴヴィナにおける歴史教育

    Sonja Dujmović(サラエヴォ・歴史研究所)

    司会

    鈴木董(東洋文化研究所)

  • 第2セッション:

    教科書の中の地域史―クロアチアの事例

    Snježana Koren(ザグレブ大学)

    セルビアの歴史教科書における地域史―隣人たちの沈黙

    Predrag Marković(ベオグラード・現代史研究所)

    司会

    中島崇文(学習院女子大学)

  • 第3セッション:

    基調報告:分断された地域の共通の過去―バルカンの歴史を教えること

    Christina Koulouri(ギリシア・ペロポネソス大学/国際交流基金「知的リーダー招へい」プログラム)

    歴史教科書におけるマケドニアの叙述の比較

    木村真(日本女子大学)

    司会

    山崎信一(地域文化研究専攻)

  • 総合討論:

    コメンテーター

    Peter Vodopivec(リュブリャナ・現代史研究所)
    君島和彦(東京学芸大学)
    王新生(北京大学)
    三谷博(地域文化研究専攻)

    司会

    柴宜弘(地域文化研究専攻)

今回のシンポジウムは、2003年3月に駒場で開催したDESK主催の国際シンポジウム「バルカン―ヨーロッパを考える一つの視座」に続くバルカン関係の2回目のシンポジウムであった。前回の招聘報告者は欧米のバルカン研究者であったが、今回はバルカン諸国の研究者の報告が中心であった。基調報告はギリシアのペロポネソス大学のクリスティナ・クルリ教授による“The Common Past of a Divided Region: Teaching Balkan History”であった。このほか、ザグレブ大学、ティラナ大学、リュブリャナ現代史研究所、ベオグラード現代史研究所、サラエヴォ歴史研究所、ゲオルク・エッカート国際教科書研究所から報告者を招いた。

シンポジウムはバルカン共通の歴史副教材をめぐる問題およびバルカン諸国の歴史教科書における地域史とナショナル・ヒストリーとの問題を中心に展開された。日本および北京大学の日本史研究者がコメントを行った。議論された主な点は、①歴史教科書をめぐる問題や歴史認識の問題において、バルカンと東アジアの共通点と相違点、②国家、政府と歴史教育の問題、③歴史研究者や歴史教育者の国際和解のありかた、2国間対話から多国間対話へ、などであった。

柴宜弘(ドイツ・ヨーロッパ研究センター執行委員)